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グロテスク 桐野夏生

(2007-09-02)
「グロテスク」桐野夏生。



図書館で借りて読みました。

桐野夏生さん、お名前はよく拝見するんですが、読んだ事がなかったので、近所の図書館に行き、「桐野夏生」の棚で一番目立った^^「グロテスク」を借りました。

話は一人の女の人の手記。
主人公・・・の名前が思い出せない。確かに主人公の手記と言う形だから「わたしは」が主流だけど、でもどこかで名前は出てきたはずなのに、思い出せない・・。
まあその主人公の妹、ユリコがアパートの一室で他殺体で発見された。妹は生まれつき類まれな美貌の持ち主。平凡な顔かたちの主人公は彼女にコンプレックスを持ち続け、そして憎んでいた。
ユリコはその美貌とともに、生まれつきの娼婦だった。15で父親の弟と、そして中学で学校内の実力者に次々と体を売り、高校退学後は高級娼婦。年を取るとともに格も落ち、最後は道で直引きをする最下級の娼婦として殺された。
そしてもう一人の娼婦の死。主人公の高校時代の知人であった和恵。昼は一流建設会社のOLで年収1千万を稼ぎながら、夜は最下級の娼婦として道に立って客を引いていた。時には数千円で自分を売って。
そんな彼女もある汚らしいアパートの一室で、一人の娼婦として殺される。

主人公は役場でアルバイトをしながらつつましく生きてきたが、そんな彼女たちの死をきっかけに、手記を書くことにする。
自分の少女時代、ユリコとの確執、名門高校に入学してからの和恵との関わり、その合間合間に、彼女たちを殺したと見られる中国人不法就労者チャンの手記、ユリコの手記、そして和恵の手記がつづられる。

長い話です。本、ハードカバーで分厚い!!私は本を寝しなに読むので、これを持って読むのがちょっと辛かった^^
そして、最終章(523ページ目)が「皆様、この長く退屈な物語も、そろそろ終わりに近づいて・・・」と言う一文で始まるんですが、「長く退屈」の文字にボールペンで横棒が引っ張ってあり、丸がつけられておりました・・・。

図書館の本に落書きするのはやめましょうね!!

でも気持ちは分かる(笑)

手記と言う形なので、ものすごく淡々と話が進むんですよ。そしてミステリーじゃないから、犯人探しとかダイイングメッセージ(娘は「ダイニングメッセージ」だと思っている^^どこの台所じゃ)があるでもなく。

犯人はチャン・・・なんだろうなあ。裁判になっていて、ユリコ殺しは認めているけど和恵殺しは否認、と言う状況のまま終わっているので結果は分からないけど、和恵の手記のラストを見ると、チャン、なんだろうなあと。

それにしてもみんながみんな、夢見がちと言うか、勘違いもはなはだしいお人ばかりで、こんなもんなん?自分もこんなんなん?とちょっと不安に。
和恵みたいな勘違い女はいそうだけどね。どこにでも。純粋と言えば純粋だけど、結局もう自分が客観視できない、ある種の精神的な病気だったんだと思う。この話を見るとね。最後の辺りなんてただのいっちゃった人だもん。

チャンはチャンでもう希代のうそつき。これもまた、生まれつきのものなのか。でも自分はその嘘に浸っちゃってて、本当にそうだった気になってしまってる人。
それにしてもよくもまあここまで自分を美化できるわと。

主人公はまたこれが、この人も自分を客観視してるようで、していない。公平なような口ぶりで自分を語るけれども、でも自分を美化して、いろんな思いに凝り固まってる人。狂信的と言うか。ユリコに対するコンプレックスと憎しみ、和恵に対する嗜虐心。その時その時でそれ以外見えなくなってる感じ。

最後、ユリコの息子であり、また類まれなる美貌の百合雄(何と言う名前だ・・・^^)に耽溺。「美貌」に対して、もうはばかるものもなく、ただただその「美貌」の持ち主である彼に執着。
そして百合雄にそそのかされて(だと思う)、2人で道に立ち客を引くことに。
「私、40歳で処女なのよ」と。

グーローテースークーーーーー!!まさに。
作者がどこのどの部分を「グロテスク」と思って題したか分かりませんが、私はこのラストを本当にグロテスクだと思いました。

この主人公は気持ち悪い。自分の事「おばちゃま」なんて言わんだろ!普通。小森のおばちゃまくらいでしょ、自分の事「おばちゃま」なんて言うの。・・・上流階級ではそうおっさるのですか^^??
まあ100歩譲って幼児に向けてだよねえ?17の男の子に向って「おばちゃまよ」とは言わないだろう・・・。
これは個人的にグロテスクだと思ったシーンでした^^話の内容関係なくね。

話は読みやすい。長いけど一気に読めます。
淡々としていて、星新一とか、阿刀田高の文章を思い出しました。分類まるっきり違うんですがね。
でもぞっとさせる書き方は似てるかな?

阿刀田高の、自分は美しく、上品で、教養も高く、そんな自分につりあうと思える男を見つけ、その男に艶然と笑いかける「老婆」の話を、何となく思い出してしまいました。
その老婆もベルベットのりぼんとかで髪をくくってるのよ。鏡の中のシワシワの顔が見えてないの。二十歳そこそこの自分の顔のままだと思いこんでるの。
・・・そんな話を思い出してしまう、「グロテスク」でした。

東電OLの話が元と言うことですが、なんとなく、そういう面で見ると、複雑。何を思って実在の事件をこういう風に小説に作り上げるんだろう・・・。

今後この人の小説を読みたいかと言われたら、正直「読みたい」とは思いませんね・・・。


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非公開コメント

全然

話題とは関係ないけど
私、このテンプレ、好き~~~♪めっちゃ好き!思わずクスって笑っちゃったわ。

で、桐野さんのこれは読んだこと無いわ。なんだっけ、ドラマになったやつしか読んでないかも。
暗いよねぇ。。。。
魂萌えは買ってるけど、読んでない。
「恩田陸」はお勧めだよ~~~♪
読後爽やか!

いいでしょ^^

9月になったら、秋っぽいテンプレに変えようと探してたんだけど、この秋とは縁もゆかりもないテンプレに一目ぼれ、思わずダウンロードしてしまいました。

ぐりぐりとどこ見てるのか分からない目で「いらっしゃい」(←絶対だみ声^^)ってのがぐー!

桐野さんは実在の事件を元にしたのが多いのかな?今一番新しい「残虐記」(少女監禁事件)はとても読む気になれず、こっちの「グロテスク」にしてみました。

このグロテスクにしても、実在のって事はもちろん被害者のご家族もいる訳で、そういうのってどうなんだろう?と、ふと思ってしまいました。ルポじゃないからいいの?もちろん何を書こうが自由ではあるけれども。

魂萌えって、不倫の奴・・・だっけ?不倫ものはダメだなあ私^^

今度恩田陸さんの、探して読んでみるね。なかったらさやちゃんに借りに行くわ^^
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